どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

コンサートの幕作り

人気アイドルグループのコンサートで使う幕を作った。体育館で、黒い厚手の布を広げて、白いマーキングに沿ってカッターで形を作る。

▶ちょっと話は逸れるけど、BTSの『IDOL』という曲のPVを見ると、BTSはただのアイドルではないなと思う。結構シュール

幕作りは中腰で作業をする為、早々に背中や首が痛くなってくる。体勢を変えてやり過ごすも特定の負荷が掛かり、体中が痛くなった。

お昼ご飯は中庭でコンビニで買ってきたごはんを食べた。作業者同士で幕作成がつらい話をしつつ、アイドルの趨勢について語り合った。アイドルを身近に感じている為か、評論家のような達観した姿勢ながら、アイドルを「君」づけ、「ちゃん」づけするところに愛を感じた。

月刊MdN 2017年 1月号(特集:アイドル―物語をデザインする時代へ / 表紙 欅坂46)[雑誌]

午後になると体育館の天窓から明るい陽が差してきて、空気がぬるくなってきて更につらくなった。体が相変わらず痛かったので、心と体の分離に努めた。痛んでいる体は自分が操るロボットで、心は少し離れたところでぼんやり見ているイメージをした。固まって鈍く痛い体が本当にロボットのようだった。

油断があったのか、午後の作業開始から2時間後にカッターで指を切ってしまった。リーダーに「このままだと幕を汚してしまうかもしれません」と言いつつ「帰っていいよ」と言われることを期待したが、「あぁ、救急箱あるから大丈夫だよ」と大きな救急箱を持ってきて消毒をしてバンドエイドを貼り、包帯まで巻いてくれた。お礼を言いつつ持ち場に戻り作業を再開した。

作業はつらく、アイドルに対しうらめしさを感じた。おまけに定時になっても予定した作業が終わらず2時間の残業が発生した。体はロボットモードで心は終始絶句していた。