どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

アヴェンジャーズ展

アヴェンジャーズが六本木にやってきた。念のため軽く説明をすると、「アヴェンジャーズ」とは、アメリカン・コミックの老舗レーベル、マーベル・コミックスに出てくるヒーローチームのことで、同名の映画が世界的に大ヒットしている。チーム「アベンジャーズ」はヒーローであること以外参加条件がなく、人間から宇宙人、アライグマまで多種多様なメンバーが参加しているのが特徴だ。一応リーダーはパワードスーツを身にまとった実業家のアイアンマンと肉体改造をした超人のキャプテン・アメリカとなっているが、映画まるまるひとつ使って両者が対決していたりすることもあり、組織としてはややいびつな印象がある。

そんなアヴェンジャーズの展示を集めた「アヴェンジャーズ展」は、2014年7月にニューヨークで開催されて以降、パリやロンドン、ラスベガスなど世界24都市(12か国・地域)で巡回されてきた人気の展覧会だ。2019年公開の「アベンジャーズ エンドゲーム」の世界累計興行収入が、「アバター」の27億8970万ドルを超え、歴代興収1位の座についていることからも分かるように、「アヴェンジャーズ」は非常に厚いファン層を持っている。今後も「アヴェンジャーズ展」は世界を巡回し続けるだろう(多分)。

さて、今回の会場は森アーツセンターギャラリーだった。個人的に、他の展示会目当てに何回か週末に訪れたことがあり、えげつない混雑を体験している。展示物までの距離が遠く、進行がカタツムリ状態になっていた。今回のテーマが、いかにも人気がありそうな「アヴェンジャーズ」であることを鑑み、コロナ対策で入場制限がされているとは言うものの、念のため平日の昼間に予約を入れた。予約時に取得したQRコードをマシンにかざすと紙のチケットが出て来るのでそれを持って入場する。(紙がもったいない気がするけど仕方がないんだろうな)。

エレヴェーターで52階まで上がると、短い行列が見える。冒頭に映像を観るコーナーがあるようで、前の映像が終わるまでは入場できない。カーテンに覆われた会場からの派手な音漏れを聴きながら5分ほど待つ。一緒に順番を待っているのは、20−50代の男女で、平日の昼間ということもあり、子供はいなかった。女性同士か男性同士のお客さんが大半で、一人客もちらほらいた。男性も女性も渋谷に歩いていそうな普通の人が多く、あまり特殊な雰囲気を持つ人たちではない。

いよいよ入場。観客はアヴェンジャーズの仲間となって世界を救うミッションを課せられているということが映像で告げられる。仕事が出来そうな綺麗な短髪の女の人(マリア・ヒルさん)に「大変な任務だ」と映像越しに念を押されつつ次のステージに進む。最初だけ「皆で映像が終わるまで観る形式」だったが、後は自由に各々のペースで展示を周ることが出来る。さくさく観たい人とじっくり観たい人で大きく分かれると思うので、この形式は助かる。

展示内容は登場人物ごとにクローズアップされており、映像、衣装を見つつ、訓練の体験ができる。

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会場にある衣装を見ている中で、アイアンマンのスタイルの良さに少し驚いた。役者のロバート・ダウニー・Jrの体型を調べてみると身長173cm、体重78kgと結構がっしりしておりしっかりと腹筋も割れているようだった。「アリーmyLove」に出ている時はひょろっとしたモテそうな弁護士の印象が強かったから、その時からビルドアップしたか実はスーツの下はムキムキだったか、真実は分からないが、なんとなく感慨深い。余談だが、あの時のロバート・ダウニー・Jr は中途半端に降板してしまい個人的にとても残念だった。あの時も一際輝いていたし歌もうまかったな。

アベンジャーズの映画を見ていても展示会に参加してもやはり、主要登場人物の多さに圧倒される。正直言って「これ誰だっけ? 」と言う人が何人かいた。特に女の人に関してルックスはよく似てる人が多い気がして、スカーレット・ヨハンソン以外は判別をするのが難しかった。おそらく男性登場人物の方が見た目にパンチを持たせているから比較的パンチのない女性登場人物に関してその事象が発生してるんじゃないかなと思う。全体的に多種多様な美男美女のヒーローの集合体だからまぁ仕方ないのかなと思う。アイドルグループも見た目の判別をしづらいから。(特に坂道系)。

展示の最後にはラスボスとの対決があって、なんとか勝利することが出来た。自分が勝利に貢献できたかは謎だけど、綺麗な短髪の女の人(マリア・ヒルさん)には「頑張ったわね」と言う感じで褒めてもらえた。なんとなくアヴェンジャーズに近づけたようで嬉しい。

総合して、今回の展示会は、にわかファンでも楽しめる内容となっていると思う。やはりアメコミ系の迫力のある展示を見ていると内容を理解しきっていなくても(登場人物の見分けがつかなくても)楽しい。カップルがマイティ・ソーの斧を手に写真を撮りあったり、男性同士のグループでバイクに跨って写真を撮ったりしていたので、写真を撮ったり撮られたりするのが好きな人にもおすすめ。(日本で開かれる展示会は写真撮影に厳しいところが多いこともあり、一つのメリットとなりうると思う)。コアなファンがどの程度楽しめるかは未知数だが、実寸大の衣装が見られるのは嬉しいと思う。

2500円のチケット代は安くはないが、展示会はどれも結構高めなので、そこまで気にならなかった。それに、アヴェンジャーズと言う独特な世界観の設定資料の中に入り込めることを考えるとそんなに悪くないと思う。

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