塾の講師は時給も高く学生に人気のバイトだ。受験ノイローゼになっちゃったり自信を喪失する子供など繊細な事象に接しながらも共に成長できるのも魅力だ。（大変だけど）。
ちなみに塾講師の平均年収は約418.4万円だそうだ。東進ハイスクールなどで人気のある塾講師は年収5000万円以上あったりするようなので、夢があると言えばある職種だと思う。
私は塾の講師として小・中学生に勉強を教えた。
「苦手な科目はありますか？」
と面接で聞かれ、
「数学を教えられる自信がないですが、あとは大丈夫です」
と答えたら、担当科目が数学になっていて恨めしい気持ちになった。結構大手の塾なんだけど、何を考えているのか…。
講師であるだけで、生徒たちからの注目の的になり、
「先生、毎日来てくれたらいいのに」
と言われたり、こそこそ笑われたり似顔絵を描かれたりするので、奇妙な気分になった。どちらかというと苦手な心境だった。
▶少し『坊っちゃん』気分を味わえる…。
何回間違えてもへこたれない女の子やサッカーが得意で顔も良い男の子やほとんど一言も喋らない女の子に算数や社会を教えた。
ほとんど一言も喋らない女の子は問題を解くよう指示を出すとやってくれるけど、本当に喋らないので困った。一度父親が出てきて「先生、ちょっと宿題の量多いんじゃないですか」とクレームを受けた。通りがかった塾長が「このくらい普通ですよ」と軽く言って収まったが、女の子が家で宿題を嘆いていることを考えると、気持ちは分かるのでなんとなくかわいそうだった。
