どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

キンタマーニ高原

2020年1月、バリ島北東部に位置するキンタマーニ高原に行ってきた。キンタマーニ高原と言えば、中学生の時、地理のテストでわからない問題に全部「キンタマーニ高原」と回答した人がいたくらい、覚えやすい名前だ。(結構極端な例だが)。学校では習っていないが、「キンタマーニ」は、「意のままに願いをかなえる宝」を意味するサンスクリット語の「チンターマニ」に由来しているらしい。

キンタマーニ高原は、標高1500m以上とかなり高い位置にある為、そこから何度も噴火を起こしている火山・バトゥール山やアバン山、カルデラ湖であるバトゥール湖が見える絶景スポットとして有名であり世界中の観光客が訪れている。

▶キンタマーニ高原 地図

 

実は前日、痩せたインドネシア人の男性ツアーコンダクターに、「時間が余ったから好きな場所に連れて行ってあげる」と言われ「キンタマーニ高原に行きたい」と言ったら「あそこは遠い」と却下されたので、日を改めてホテルでタクシーをチャーターして行った。(ちなみに「モンキーフォレストに行きたい」と言ったら「あそこはサルがいるだけ」と言われ、お土産屋や工場ツアーをやたら勧めて来たので面倒くさくなり、早めに撤収した。ホテルまでのバンの中の雰囲気がすっかり辛気臭くなった)。前日のツアーコンダクターが面倒臭がって「遠い」と言っただけだろうと思っていたが、実際キンタマーニ高原はバリ島中心部から遠く、宿泊しているホテルから3時間ほどかかった。

昨日の饒舌なツアーコンダクターとは違い、ホテルでチャーターしたインドネシア人のタクシー運転手さんは言葉数が少なく、無駄な寄り道をせずに目的地に向かってくれたが、到着した時少し疲れた顔をしていた。「僕はごはんを食べて戻ってくるね。適当に観光したらここにまた来てね」と言い、駐車場で分かれた。

さて、キンタマーニ高原。

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キンタマーニ高原からの景色は、雲が大きくて、緑が濃かった。湖はくすんだエメラルド色で、全般的に壮大かつゆるい風景だった。「絶景やろ!」という圧力がないというか。

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お土産を売る人がたくさんいたが、あまり積極的ではなかった。スーパーの試食コーナーの人みたいに、一応一通り声をかけるけど断られると「じゃあいいっす」という感じで静かになっていた。バリ島のアートギャラリーや空港タクシーなどがAランクのしつこさだったので、接客があっさりしているのが意外だった。

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ワイルドな犬が一匹で散歩していた。やせていて、毛がけば立っていて、孤独な目をしている。路上では、子犬が一匹づつ檻の中に入れられて売られていた。見た感じ雑種犬のようで、耳が垂れていてかわいかった。こちらはワイルドさはなく、ぬいぐるみのようなくりくりとした目をしている。しかし、キンタマーニ高原に来て犬を買って帰ろうと思う人がいるのかは謎だった。

カフェに立ち寄ってコーラを飲んで休憩したら、その家の小さい子供がずっと子犬と遊んでいて、その子犬も垂れた耳の雑種風だった。かくれんぼをしているようで、犬が子供を見つけて喜んでいるのがすごくかわいかった。

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30分くらいで満足して駐車場に戻り帰路についた。帰り道の夕陽がとても綺麗だった。キンタマーニ高原からの風景ももちろんよかったけど、バリ島中心部からキンタマーニ高原の道中に広がるわりとそっけない街の風景もなかなか良かった。とは言え、バリ島自体は貧困層も多いようなので、のほほんとした印象を受けるのはもしかしたら誤りかもしれない。それでもただの車窓からの印象だと、ヨーロッパの市街地にたまに見られる殺伐とした雰囲気は少なく、南国らしいマイペースな印象のある風景だった。

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INFORMATION

日本からバリ島のングラライ空港まで直行便で約7時間。キンタマーニ高原は、ングラライ空港からは車で3時間、デンパサールの中心からは1時間ほど。