どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

癒し!星の王子さまミュージアム

『星の王子さまミュージアム』は比較的こじんまりとした美術館だが、コアなファンが多い美術館でもある。自然豊かな場所にあるので、空気も澄んでいる。

▶︎建物がかわいい
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▶︎バラもたくさん
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▶︎俯いていても暗くならない王子さま像
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この美術館は、『星の王子さま』を読んだことがない人でも全く問題なく楽しめるが、読むとさらに楽しいとは思う。『星の王子さま』の中には絵に描いたようなダメな大人がたくさん出てくるが、説教くささはなく、同じ色々な世界を旅する系の『ガリバー旅行記』のように重い読了感もない。

星の王子さま

王子さまとだめな大人とのやりとりで特に刺さったのは以下の部分だ。

ーどうしてお酒を飲むんですか?

「忘れるためさ」

ー何を忘れるためなんですか?

こう聞いたとき、すでに王子さまは酔っ払いのことを気の毒に思っていました。

「恥ずかしいと思っていることを忘れるためさ」

                   『星の王子さま』74ページより引用

正直、かなり酔っ払いに対し共感できる。

基本的にこの本に出てくるダメな大人は程度の差こそあれ、共感できる人物だ。その大人たちが王子さまに同情されたり、いぶかし気に見られる度に心の擦り傷が少し痛む。

▶︎王子さまが出会った癖のある大人の一人の像
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作品全体が綺麗でかわいくて寂しい雰囲気で、終盤は息苦しさを感じる程だ。

ーボクも、今日、自分の星に帰るんだ。

それから、淋しそうにこうつけ加えました。

ーキミが自分の家に帰るよりもずっと遠いし、ずっとむずかしいけどね……。

ぼくは、何かとんでもないことが起ころうとしているのを感じていました。

ぼくは、王子さまをしっかり抱きしめました。でも、深い淵に落ちようとしている王子さまを、どんなふうにしても助け出すことができないような、そんなもどかしさを感じました。

                                                                             『星の王子さま』147ページより引用

『星の王子さまミュージアム』では、作者のサン=デグジュベリ自身に関する展示も多く、より作品を深く理解することが出来る。作者の子供時代、パイロット時代、ニューヨーク亡命時代…。

サン=デグジュベリは、188センチの高身長で陽気な性格だったらしいが、幼少期より家族の死や戦争など、度々暗い記憶があり、明るく乾いた文体に、染み出ている気がする。

生死のはざまの不思議な異界にたどりついてしまったとファビアンは思った。自分の両手も、着ているものも、飛行機の翼も、なにもかもが光り輝いている。しかもその光は上空からではなく下のほうから、周囲に積もっている白い雲から射してきていた。

                        『夜間飛行』80ページより引用

▶︎王子さまと写真を撮れるスポット(不時着した飛行機つき)も有り
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