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ミュージカル『CHICAGO』【ネタバレ有り】

『CHICAGO』は、禁酒法時代のアメリカを舞台にしたミュージカルで、ブロードウェーでの人気はもちろん、映画化もされていて、アカデミー賞も取っている、世界中に愛されている作品だ。

▶レネー・ゼルウィガーがとてもかわいい名作映画。

シカゴ

そんな『CHICAGO』だが、今回主役の一人を演じるのはドラマ『glee』で主役のシュー先生を演じたマシュー・モリソンだ。マシュー・モリソンは、『glee』の中では生徒に向き合うGlee部のイケメン顧問を演じている。

新生グリー誕生

『glee』もなんだかんだ最後まで観ていたし、シュー先生いい人だったなと思いながら、マシュー・モリソンの生歌聞きたさと『CHICAGO』好きさで、S席16000円くらいのチケットを取った。(S席しか残っていなかった)。

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観客は女の人が多かった。年齢層は幅広い。ちゃんと記念撮影コーナーもあって、短い列ができていた。

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自席に着いてチラシを見ていたら、個人的に薄ぼんやりとネガティブになった。こういう気分の時は『サウンド・オブ・ミュージック』みたいな強制的に明るくなるミュージカルの方がいいなと思っていたら、マシュー・モリソンの声で「禁酒法時代にこれから行くけど、もちろん携帯は置いていくんだよ」みたいな洒落た注意喚起アナウンスが流れた。

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いよいよオープン!まずベルマ・ケリー(黒髪パッツン美女)が「なんでもありだよ!(All that jazz)!」と歌い踊る。ベルマ・ケリー役の女優さんは急遽代理で舞台に立っているはずだが、もちろん全然そんなのは感じさせない…。筋肉も声もすごい。

曲の終盤にロキシー(金髪美女)が不倫相手(筋肉質長髪イケメン)を銃殺する。

ロキシーが逮捕されて、夫を殺した女性たちが歌い踊って、弁護士が出てきて、綺麗ごとの曲をキラキラと歌う。この(悪徳)弁護士がマシュー・モリソン。歌はやっぱりうまい。「テレビだとうまいけど舞台だと微妙だね(舞台とテレビは違うからね)」となる可能性も普通あると思うけど、実際ケチの付けようがない。まぁマシュー・モリソンは舞台の場数もかなりのものだから、「うまいだろうな」という感じで意外性はない。

ロキシーは無罪を勝ち取る為に、ストーリーを仕立て上げられ、メディア&民衆はあっさりと信じ込んでいく一方でなぜかロキシーがスター扱いに。(ベルマ・ケリーは元々ショーをやる職業だったが、刑務所を出た後のツアーのギャラが殺人&メディア露出後で大きく跳ね上がっているなど、メディアに取り上げられた女性受刑者がスターになる謎現象がこのストーリーの根幹となっている)

注目を集めるためロキシーが妊娠した振りをしたところで第1幕終了。(ベルマ・ケリーもそこそこ人を見下している、感じがいいとは言えないタイプだが、ロキシーの策士ぶりにドン引きする)。

休憩時間はやはりトイレ休憩の列がすごかった。女性トイレは外だけでなく中にも係の人がいて、「混雑しておりますので皆さまお早めに用をお済ませください」みたいなことを呼びかけていたらしい。そしてやればできることが証明されたらしい…。(女性トイレにしては進行が速かったよう)。

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20分ほどの休憩後に第2幕がオープン。ロキシーは裁判に対し緊張しつつも無事無罪を勝ち取る。一方で、もっと過激な女性殺人犯が現れ、結果的にメディアの関心が自分から移ってしまったことを寂しく思う。

最後にロキシーはベルマ・ケリーとタッグを組み、「殺人を犯した女子2人」みたいな触れ込みで喝采を浴びる(謎現象)。

I Move On

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  • キャサリン・ゼタ=ジョーンズ & レネー・ゼルウィガー
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

どうかと思う人が登場人物の大半を占めているものの、観ている内に最初に個人的に抱いていたネガティブなモヤモヤはすっかり消えていた。全般的に深く考えすぎないことが大事だなと思った。ちょっとアホであれ。(結論)。

隣に座っていた女性は、「私の親友は私」とベルマ・ケリーとロキシーが歌っている時に少し涙ぐんでいたようだし、主人公の強かさにそこそこ心を打たれる人はいそう。