どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

バイト先としての飲料工場

ペットボトルにおまけを付ける仕事がある。蓋の下のくびれにおまけの入った小さい袋をはめ続ける。「抜けないように」「袋を壊さないように」取り付けるのは意外と難しい…。

▶おまけのスター・ウォーズボトルキャップが大ヒットしたペプシ

サントリー ペプシ ジャパンコーラ ゼロ 600ml ×24本

結構きつい仕事だった。作業ラインはベテランのラインと非ベテランのラインがあり、ベテランのラインはとても速くしかもお喋りの声も大きく活況だった。非ベテランのラインは皆必死で張り詰めていた。自分の担当区分が終わらないままに商品が流れていってしまうと一度流れたものが押し戻され、社員に迷惑そうな顔をされた。(他の人が押し戻されると束の間の休み時間が生まれるので作業者は嬉しいけど)。

ラインの始点にはペットボトルが入ったダンボールを押し流す人がおり、その後ペットボトルにおまけを付ける人々がおり、最後に段ボールに蓋をする人と、シールを貼る人がいる。始点でダンボールを押し流す人はカーリングを行う人のように集中した面持ちで丁寧にゆっくり(しかし容赦なく)ダンボールを送り込んでいた。この人は全体の流れを見つつ進行するのでわりとキーマンのようだった。

ペットボトルのおまけを付ける作業が非常に指を酷使するきつい作業である一方、シールを貼る作業とダンボールに蓋をする作業は比較的楽な作業のようだった。その為、何かしらを社員に訴え、おまけ付けからシール貼りにポジション交換になった人がベテラン予備軍の人の大変な怒りを買っていた。結局ポジション交換を受け付けた社員がベテラン予備軍に文句を言われ、「ポジション交換した人」は、またきついポジションに戻されていた。

この「ポジション交換をした人」と仕事内容の説明を聞く時の場所が近かったので結構ずっと一緒にいて色々と話した。30代のフリーターの女性で繊細そうな人だった。元々OLをやっていたが、体調を崩して定期的に休んでしまうことから影口を叩かれるようになり、会社を辞めてしまったとのことだった。親には現状を苦々しく思われており、それでまた体調が崩れてしまい、バイトもなかなか続けられない状況とのことだった。それでも趣味のサッカー選手の追っかけや8歳年下の恋人との関係はとてもうまくいっているようで、相対的に楽しそうではあった。

▶追っかけ時に偶然出会った奥田民生がとてもかわいかったらしい

奥田民生インタビュー集「俺は知ってるぜ」