どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

バイト先としてのラーメン屋

人手が足りないラーメン屋で1日だけピンチヒッターとして働いた。郊外にあるお店で、店員は皆やや暗い目をしていた。

開店前、お客さんが間違えて入ってきてしまった時、
「ちっ、まじ客来んなよ」
とアルバイトの女子高生が怒りだしたので、少しびっくりした。いかにも陰湿そうな顔の女子高生で、ずっと喋っていた。


太った眼鏡の店長がいて、まったく目を合わせず指示を出してきた。感じ悪いと言うより他人が苦手な人という印象だった。

陰湿な顔の女子高生が休憩室で(この女子高生はすごい長時間休憩室にいる)「店長が今度あたしとか選抜メンバーに焼肉奢ってくれる!」みたいな感じでずっとルンルンしていたので、太った店長は太った店長で、意外とうまく立ち回っているのかなと思った。

1人テキパキと仕事をする顔の薄い男子大学生がいて、いろいろと教えてくれた。その人は陰湿な女子高生をなだめたりしていたものの、周りに心は開いてなさそうだった。

後半になると不機嫌なポール・マッカートニーのような顔の人が出勤してきて、ずっと怒っていた。太った店長も含め、今までいた人も怒られたり嫌味を言われたりして一気に雰囲気が重くなった。(女子高生はあまり乱されていなかったが)。

▶︎ポール・マッカートニー好きなんだけど…

ポール・マッカートニー 告白

私の仕事はお皿洗いがメイン。ラーメンの汁がぬるま湯に溶け込み、ギラギラとした油が浮いていた。簡単にお皿をスポンジで洗ってから食洗機に突っ込むが、ラーメン皿が意外と重くて結構疲れた。終盤、
「だるそうな顔して…何やってるんですか?」
とポール・マッカートニー風の人に怒鳴られた。なんて答えればいいんだろう? と思って振り向くとやはりすごい怒った顔をしていた。「すいません」と謝ってなるべくシャキッとした顔をした。

猫ピッチャー1 (単行本)

帰り道に、ポール・マッカートニーに似ている人に怒られた記念でビートルズの『ア・ハードデイズ・ナイト』を聞いたらそこそこ沁みた。

ア・ハード・デイズ・ナイト

ア・ハード・デイズ・ナイト

  • ビートルズ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

後日、このお店がチェーン店だったので近場の店舗に行ってみたら、少しまずかった。麺はお箸で簡単に切れそうなくらい柔らかく、スープは油っぽかった。ラーメンって、味の振れ幅が大きい分野だとつくづく思う。