どこでもライオン

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韓国ドラマ『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』!

ハッピーな韓国ドラマをのんびり楽しみたくて観始めた本作品。

第1話
35歳の綺麗なお姉さん(ソン・イェジン)が親友の弟、かつ弟の親友のイケメンエンジニア(チョン・ヘイン)と恋に落ちます。ソウルのお洒落な街並みやスッキリした見た目のイケメンエンジニアとお姉さんが魅力的なドラマでした。

基本的にお姉さんとイケメンエンジニアが付き合うまでは爽やかラブストーリーです。年の差(4歳くらい)や昔からの知り合いなことが微妙な障害になりつつも、恋は進捗します。途中、お姉さんの元恋人がストーカー化したり上司よりセクハラ・パワハラを受けたりというハプニングがありますが、それも乗り越えます。

そんな2人の恋路の最大の難敵はお姉さんのお母さんです。お母さんが怖いくらい交際に反対します。反対する理由は、「親がいない人と結婚するな。家柄をちゃんと見極めなさい」というわりとイケメンエンジニアに対して失礼なもので、家族ぐるみで仲が良かっただけに、お姉さんの親友の心証も悪くなり、ギクシャクします。

 個人的に、この展開が、非常に不可解でした。

普通に考えたら、イケメンエンジニアは、交際相手としても結婚相手としてもかなり高評価なのではないでしょうか? 家柄がそこまで重視されるのでしょうか?

【イケメンエンジニアのスペック】
・178センチのまぁまぁ高身長
・イケメン。笑顔がかわいい
・将来性のあるエンジニア(海外赴任もしており社内の評価もとても高い)
・性格よし
・母親は亡くなっている/父親は再婚している(父親は疎遠)

実際に作中でもこのイケメンエンジニアに想いを寄せる女性が出てくるし、「お前はどんな女とも付き合えるじゃねえか」みたいなことをお姉さんの弟に言われています。誰の目から見てもイケメンエンジニアが高スペックなのは間違いなしです。 では、一体何が起こってるのでしょうか? 家柄だけでこんなに猛反発する風景は韓国では一般的なのでしょうか?

韓国人ユーチューバーの解説によると、家柄を盾に結婚に猛反発する母親はドラマの演出上のものでここまで極端なお母さんはあまりいないようです。

「なるほど。日本のドラマも極端に脚色していること、あるもんなぁ」と思いつつ、日本のネット上のドラマの感想だと、「韓国は家柄とかで格差があるんですよ。嫌ですね」みたいなものが溢れているので、わりと誤解を生んでいると思います。もったいないと言えばもったいないし、エンターテイメントだから仕方ないと言えば仕方ないと思います。

ただ、「韓国だから」家柄を盾に非常に攻撃的になるお母さんがいる、というのはレアケースだとしても、実際に家柄を理由に結婚や交際に際して親の猛反発を受けることは、どの国でもあると思うので、このドラマのリアリティがまるで無いわけではありません。

このドラマで驚いたのは、暴走するお姉さんのお母さんに対し、イケメンエンジニアをはじめ、「この母親やばい」みたいに引く反応が少なく、すんなり仕打ちを受け入れているところです。

渦中の構造は以下のようになります。

◆お姉さん一家    

 母親→暴れる。お姉さんとイケメンに暴言&暴力
 父親→中立的だが、わりと曖昧
 姉(お姉さん)→ひたすら振り回され、混乱
 弟(イケメンの親友)→別れた時気まずくなるからと、交際に反対

◆イケメン一家  

 姉(お姉さんの親友)→弟が傷ついてほしくないと思っている
 弟(イケメン)→周りを気遣いつつ、想いを貫こうとする

たぶんお姉さん一家のお父さんがお母さんをたしなめたりすれば流れは変わったのでしょうが、お父さんを始め一家全員困惑しつつお母さんに振り回され強行突破できないので、イケメン一家は傷ついたり複雑な思いを抱いたりしています。多分、「家柄が一番!」というお母さんの絶対的温度感に対し、「家柄なんて関係ない!」と言い切れるだけの温度感に誰も達していないからこんな状況になっているんじゃないかと思います。

結果的に一度、お母さんをはじめとして全員疲れ果てます。この疲れ果て方が意外とリアルだと思いました。お母さんも含め全員疲れ果てているという部分がミソです。

この混乱と疲弊に対し、「こんな展開要らない」という感想もあるようですが、リアルでなかなか良いと思いました。実際、絶対的悪役も被害者もなく、無情に混乱と疲弊に巻き込まれることは現実の世界ではあります。そのリアルさを加味すると、気持ちいい勧善懲悪はないけど、風景的癒しはあるドラマだと思いました。

INFORMATION

DVD、ストリーミング配信で視聴可能。