どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

コピ・ルアクの農園

「コピ・ルアク」という高級コーヒーがある。ジャコウネコのフンからとれるコーヒーだ。アマゾンで見ると100グラムで4000円くらいなので、かなり高い。

スターバックスのハウスブレンドが250グラムで1300円くらいなので、約8倍の値段。

東京でコピ・ルアクを出すお店は相当限られているし、スターバックスの8倍の価格のものを取り寄せる情熱はないけど、バリ島でコピ・ルアクの農園があったので行ってみた。(※コロナ直前)。

農園の名前は、「バリ・プリナ」。ライステラスという絶景ポイントがあり、ハート型の木の椅子や巨大空中ブランコなど、いわゆる「映えスポット」も完備している農園だ。ライステラスは綺麗だと思うけど皆が喜んで写真を撮る理由はよくわからなかった。緑が青々としていて見ていて元気になる感じはあった。

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ジャコウネコは比較的農園の入り口付近にいた。サイズ的にも毛深いカワウソという感じだ。猫らしさはない。調べたら、ジャコウネコはジャコウネコ科であってネコ科ではないらしい。かわいかった。

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コーヒー豆の展示があり、製造過程の実演があった。焙煎をしている人が、「やってみる?」と聞き、その辺にいた人たちが全員断っていたが、やってみた。焙煎している豆をかき混ぜる。予想通り軽い感触だった。からからと乾いた音が気持ち良い。

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さて、いよいよ、実飲。コピ・ルアクを頼んだら、たくさんのコーヒーと紅茶の試飲がついてきた。コーヒー農場の入場料に入っていたようだ。生姜紅茶やターメリック紅茶やチョココーヒーなどがあったが、砂糖が入っているみたいで甘かった。根っこのコーヒー(※誤訳?)みたいなのがあってそのまま土のような味がした。コピ・ルアクは酸味があって香り高くおいしかった。

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味の評価だけで言えば、コピ・ルアクがスターバックスの8倍おいしいということはないと思う。おいしいことは確かだけど、世界にはおいしいコーヒーはたくさんあるし、ダントツにおいしいとは言えない。コピ・ルアクに味の似ている代替コーヒーも挙げることができる。  

「そんなこと言ったらジャコウネコに失礼じゃないか」と言われそうだけど、むしろコピ・ルアクが安々と手に入ってしまったらジャコウネコ自体酷使されてしまいきついのではないかと思う。

コピ・ルアクは、ジャコウネコがコーヒーチェリーを食べる→未消化のコーヒー豆を糞から採取、という工程で作られるので、たくさんコーヒーを作りたい場合、ジャコウネコにたくさんコーヒーチェリーを食べさせないといけない。ジャコウネコは、本来的にはネズミ、虫、果実などを食べるようなので、コーヒーチェリーばかり食べさせられるのは嫌じゃないかなと思う。(犬によっては毎食ペディグリーチャムでも幸せそうなように、コーヒーチェリー比率が高くてもジャコウネコが問題ないならいいけど)。また飼育ジャコウネコ数も増えるから、1匹あたりの飼育面積も狭くなると思う。

ジャコウネコの気持ちは分からないけど、個人的には価格は高いままでいいと思う。ジャコウネコにはなるべく幸せに暮らしてほしいな。

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