どこでもライオン

This lion is everywhere and nowhere.

豊洲市場

豊洲市場が築地から移転する形で取引開始をしたのが2018年。土壌汚染問題などで何回も開業が延期され、小池知事や石原前知事が登場しつつ連日ニュースになっていた市場で、「なんかよく分からない場所だな」という印象をぼんやり持っていたが、ホームページを見ると普通の市場だった。(当たり前かな)。

ずっとコロナ感染症対策で中断していた豊洲市場の見学が4月25日に再開したとのことで、5月初旬に出かけてみることにした。5時半頃〜6時半頃までマグロの競りも見学できるとのことだったので、頑張って早起きした。実に4時半起きだったので、アラームは設定しているものの3時頃から緊張して半分目覚めていた。

新橋から都バスに乗った。朝早いし、豊洲市場方面に行くモノ好きはいないだろうと思っていたが、バスは座れない程混んでいた。乗客の大半はシニア層で、バスに乗り込む際にお互いに挨拶をしていることから顔見知りらしい。どこで降りるのかなと思っていたら、ほぼ全員豊洲市場で降りた。多分働いている人だと思う。寡黙な人も陽気でずっと喋っている人もいたが、比較的顔色がいい人が多かった。朝の通勤電車のサラリーマンや高校生より平均的に表情が明るかった。

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駅から少し離れた水産卸棟まで歩き、親切な案内表示に導かれるままにマグロ競り見学会場に行った。全然人がいなかった。警備員さんがポツポツと立っているのみ。全体的に役所や学校のような無機質な建物ながら新しいからか清潔感はあった。

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マグロの模型との撮影スポットもあり、一般客へのサービス精神も感じられた。時間的にオープン前だったけど、市場について学べるミニコーナーもあった。

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いざ競り会場を見下ろす。冷凍マグロがずらっと並べられ、買取業者が切り身を吟味し、掛け合いを行う様子が見られる。マグロは思っていたより大きく、こんなに大きいマグロが大量に売れるのだろうかと思いつつ見ていた。凍っているからだろうけど白く重量感があり、変な風景に感じた。ロッキーが生肉を殴って練習をしていた場所に冷え冷えとした空気感はよく似ている。

マグロの競りはかなり速く決まるようで、売買の状況は正直素人目にはよく分からない。美術品オークションみたいに札を上げてどんどん値上げしていき、最終的に決まるとハンマーで机を叩くのとは勝手が違うようだ。後で調べて分かったのだが、振鈴を合図に買い手がせり台に並び、呼びかけに応じて手信号で値段を示し、一番高い値段をつけた人に商品の購入権が渡るらしい。競りの時間は数秒程度。それは、見ていても分からないはずだ…。

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見学デッキの人はまばらだったが、少し時間が経つと外国人客や女性の団体客などが集まってきた。女性の団体客は30−40代くらいで同窓会風の空気が漂っていたが、同窓会の流れで豊洲市場に来ているとしたら結構不思議だ。クラスで言うとギャルではないけど少し派手で充実していそうなグループに属する女性たちに見えた。

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マグロの大きさに関する展示もあり。築地市場の最大級マグロは2.8メートルということで、かなりでかい。マグロの平均としては1.5メートル程度とのことで、2.8メートルはだいぶ超越している。でかさと美味しさが必ずしも比例しないのが食品の常だが、マグロはどうなのかな。なんとなく、2.8メートルもあると海の中でも敵は少なそうだから悠々としていそう。それが吉と出るか凶と出るか。(お金持ちの子供がスポイルされるかエリートに育つか議論に少し似ている)。

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市場内の食堂でチキン南蛮を食べて帰った。素材は素晴らしいが、味付けが濃かった。

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INFORMATION

市場情報 ☞ https://www.toyosu-market.or.jp/