安西水丸は、エッセイや絵本を出しているイラストレーターで、村上春樹や江國香織の本の挿絵や表紙も手がけている。港区赤坂生まれの超都会っ子でありつつ、千倉で幼少期を過ごしており、日本大学藝術学部美術学科造形コース卒業後に電通、平凡社などでアートディレクターを務めたバックグラウンドを持つ。そんな安西水丸の個展が京王線芦花公園駅近くの世田谷文学館で開かれた。会期は2021年4月24日〜9月20日。エントランスからして清涼感があってよかった。
チケット売り場横のロビーにある猫もかわいかった。180センチくらいの大きさ。
会場内には結構人がたくさんいた。客層は子供からお年寄りまで幅広かった。展示物は写真撮影OKだし、間近で絵を観られる。展示会ではよく写真NG、絵の近くにロープが張ってある場合が多いが、このおおらかさが安西水丸らしくてよかった。
江國香織『すいかの匂い』、村上春樹『螢・納屋を焼く・その他の短編』など、何回も読んだ本の表紙の原画が観られるのが最高。シンプルな絵柄だけど、色味が自然で印象に残る。
三越の広告の展示もあり。三越ってこんな楽しい広告を出す百貨店だったのか…と見直した。『三越の第九 超えてある、日常へ』というキャッチフレーズも非常にいい。
村上春樹の似顔絵は、村上朝日堂の挿絵でお馴染み。(すごい似てると思う)。
『うずまき猫の見つけ方』の挿絵。色鉛筆の粗いタッチと動物のかわいさがたまらない。ピューマに追いかけられる村上春樹の必死な顔も面白い。
ライフスタイルもかっこいい安西水丸。私物や写真の展示もある。
顔はめコーナーも有り。坂本美雨の娘さんも顔はめしてインスタグラムにアップしていた。渋めで身なりのいい中年夫婦が変わりばんこに顔はめで写真を撮りあっていて、私が順番待ちをしているのに気づいてすごい恥ずかしそうに笑っていた。
文字が切れちゃっているが、“HOW DRY I AM“と書かれている。モノポリーみたいな人と言いかっこいい絵だ。でもよく見ると酔っ払い?
最後にお礼が。字もかわいい。